2021年06月12日

6月11日「しおかぜ」

11日、金曜日1300の「しおかぜ」は日本語放送から、今週から番組のローテーションが一日早くなっている。まず北朝鮮労働党規約改正についての解説。改正規約の骨子が紹介されている。続いて6月4日、東京で開催された天安門事件32周年追悼集会について。
「日本海へかける橋コーナー」はめぐみさんへの手紙である。滋さん死去1年、6月5日横田早紀江さんからの手紙である。
めぐみちゃん、こんにちは。毎日どうしているのかと、考えない日はありません。日本は初夏を迎え、花や緑の息吹を強く感じる季節となりました。ただ、世界を覆う新型コロナウイルスの災厄は収まらず、不安や我慢に耐える日々が続いています。光陰矢の如(ごと)し、昨年6月5日、お父さんが天に召されてから、1年が過ぎようとしています。お父さんの分まで精いっぱい闘うと誓ったのに、拉致事件に進展は見えず、焦りは募るばかりです。
厳しい世相を見つめるとき、お父さんは、本当に恵まれながら、旅立ったと痛感します。めぐみちゃんたち、すべての拉致被害者を救うため、命を削りながら闘った分、安らぎの時を与えられたのでしょう。
きょうも祭壇のお父さんの写真に声をかけ、笑顔に力をもらいます。お父さんは老いや病に弱音を吐かず、たくさんの方々に支えられ、人生を全うしました。「天国に行けるんだからね。懐かしい方が待っているからね」。天に召される間際、耳元でこう叫ぶと、お父さんは、うっすら涙を浮かべていました。今、日本国をどのような思いで見つめているのか。もう、天からめぐみちゃんを見つけているかもしれませんね。
あれから1年、拉致事件は進展しません。お母さんは年を取り、いよいよ衰えを感じます。うっかり転び周りの方に余計な心配をさせることもあります。新型コロナのため全国の皆様に思いを伝える機会は、すっかり減ってしまいました。
政府の方々からはいつも「痛恨の極み」という声が聞こえます。自分自身が元気なうちに、被害者を奪還できなかった私たち親世代の家族は悔しさにさいなまれながら、地獄の業火と向き合う日々を過ごしています。そして、被害者たちが過ごす日常の過酷さは、その比ではないでしょう。
最近は、めぐみちゃんの弟の拓也や哲也たち若い世代の家族が救出運動の前線に立つようになりました。厳しすぎる闘いを、子供たちに引き継ぐことは、無念でなりません。世代をまたぎ、非道の極みである拉致と向き合わなければならない理不尽さを政治家、政府の方々は本当に、胸に刻んでいただきたいのです。
「もう、皆さんが頑張らなくても、私たち国家を担う者たちが必ず、取り戻します」。そう毅然と言い放ち、実現させる政治家はいらっしゃらないのですか。
複雑で奥深い政治や外交は、私たち庶民の知るところではありませんが、北朝鮮をめぐるさまざまな動きは滞り、拉致事件の当事者である日本でさえ、国会で長く論じられていない現実があります。なぜ、これほど重大な問題に、本気度が感じられないのでしょう。
年老いた家族にとって、自分自身が元気なうちに、すべての被害者に祖国の土を踏ませ、子供たちと抱き合うことが宿願でした。お父さんもその願いを胸に、執念を燃やし続けました。
昭和52年11月、めぐみちゃんがいなくなり、なんの手がかりもない地獄の20年を経て、平成9年、あなたが北朝鮮にいることが分かりました。被害者の家族会が発足すると、お父さんは「口下手だから」と心配しながらも代表に就き、全国で1400回もの講演を夫婦で重ねました。お父さんが頼みとしてきたのは、被害者に心を寄せ、全面解決を願う国民、世論の大きな力でした。
家族会は今、運動の方針に、親世代の家族が存命のうちに被害者と抱き合うことが、「解決の期限」であると記しています。家族や、被害者の帰国を願って全力で取り組んできた方々は、次々と天に召されていきます。命の炎が尽きる前に、拉致をすっきり解決していただきたいのです。
今年4月、菅義偉首相と面会し、家族会の運動方針をお渡しした機会に、お母さんは「これが最後だと思います」と、お伝えしました。残された時間は本当に僅かです。家族はもとより、被害者本人もいよいよ年を取り、文字通り、最後の闘いに臨む心境です。
北朝鮮の最高指導者の心をいかに開き、行き詰まった現状を打ち破るか。すべての被害者を帰国させる決断に導き、日本と北朝鮮、世界中に平和をもたらす希望の道筋を描けるのは、政治家や政府に携わる皆さまの決意にかかっています。日本には、それを果たす力がきっと、あるはずです。
そして、国民の皆さま。大切な日本国家のためにも、どうか今一度、わがこととして拉致事件を受け止め、解決を後押ししてください。家族同士で、友人同士で論じ合い、解決への思いを、声にしてください。
そうした声がうねりとなり平成14年、5人の日本人が帰国を果たしました。そして、めぐみちゃんたち残る被害者の安否を偽った北朝鮮の噓を看破し、帰国への望みをつないできました。あと一息、手が届くようで届かない、あなたへの思いを胸に、お母さんは力の続く限り、訴えを続けていくと心に決めています。
この夏、東京では2度目の五輪が開催される予定です。めぐみちゃんは、昭和39年10月、最初の東京五輪の直前に生まれました。本当に長い時が過ぎてしまいましたが、運命めいた、めぐり合わせを感じます。
めぐみちゃん。どうか心を強く持ち、身体に気を付けて暮らしてくださいね。お母さんは静かな祈りの日々の中で、再会の時が訪れることを確信しています。

「日本政府からご家族の声」は田口八重子さんへ、2020年12月に開催された国際シンポジウムで収録された長男、飯塚耕一郎さんのメッセージが出ている。1325に緊急放送ISの後、日本への脱出に際しての注意事項がアナウンスされている。
後半1330は朝鮮語放送「富士山は知っている」が出ている。6月4日東京で開催された天安門事件32周年集会の模様である。

1300代の朝鮮語と日本語放送、台湾送信、タシケント送信いずれも良好である。この時間は毎日同じ番組が出ている。

1430の「ふるさとの風」は9450、9705、11995kHzが良好である。3波とも強力である。懐かしい日本の歌は「汽車」で始まった。拉致問題解説は松本京子さんについて。2006年11月20日に17人目の拉致被害者に認定された。鳥取県米子市で1977年10月21日夜、自宅近くの編み物教室に出かけたまま拉致され行方不明に、2002年の日朝実務者協議で北朝鮮は入国した事実はないとして、拉致を認めていない事案でもある。地元での救出活動や29歳で拉致された経緯などが紹介されている。
「ふるさとの声」は2020年6月電話収録されたお兄さん松本肇さんからのメッセージが出ている。続いて2020年1月島根県で開催の共同公開収録したメッセージ。そして2019年5月東京での国民大集会から。
今日の一曲は1984年のヒット曲、チェッカーズの「星屑のステージ」である。この番組は2021年4月8日、19日、30日、5月10日、20日、6月1日と同じである。

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Posted by Hiroshi at 00:00Comments(0)Shiokaze/Furusato no Kaze