2008年12月14日

ラジオ国際会議

ロシアの声日本語放送は、12月12日1200からの放送「ラジオジャーナルきょうの話題」で、
ラジオ放送に関する国際会議の模様を伝えた。

以下その放送内容をテキストに起こした。

マルチメディア性と客観性は、国際ラジオ放送の基盤である
これは、おとといモスクワで「ロシアの声」の組織によって開かれた世界の主要ラジオ局の代表者らによる国際会議の中で述べられたものです。

この国際会議に参加した、イギリス、中国、南米諸国、スイスのラジオ放送代表者らは、外国向け放送、国際放送の成功は、つぎの3点に懸っているとの点で合意に達しました。

その3つとは、先ず、「マルチメディア性」、つまり、現代のあらゆる技術、そしてリスナーの様々なニーズや関心に応える知識を用いることを意味します。
そして、二つ目は 「客観性」。
そして、三つ目は如何なるものにも囚われないこと、つまり、偏見に囚われないと言うことです。

ラジオ放送局は、電波と言う武器しか持っていないままでは、他のメディアと競争することが出来ません。早かれ、遅かれ、ラジオのリスナーはインターネットやデジタル受信機を通して、オンライン上で、単に聴くだけではなく、見たり、読んだり、ニュースや必要な情報を受取ったりする可能性を与えてくれるメディアへと移行していくでしょう。

モスクワで行われた国際会議の参加者たちは、こう言った結論に達しました。しかし技術的な進歩は重要ですが、それだけが成功への唯一のカギではありません。公平さ、客観性、プロフェッショナリズムが、放送にとって、番組を準備する上で、確固たる基盤となる、基準となるものです。

外国向け放送を行うラジオ局にとって、これは特に重要なことです。なぜなら、こう言ったラジオ局は、自社を代表するだけでなく、外国で受信しているリスナーたちが持つ、その国、そのもののイメージを作り出しているからです。放送における、あらゆる計算や、もっと悪い場合には、デッチ上げられた事実は、その放送局だけなく、その国自体を脅かすのです。

ロシアの声のAndrei Bystritskyアンドレイ・べィストリッキー社長は、次のように述べています。

 情報を発信することに関する問題もまた、極めて重要である。それぞれの国のリスナーのメンタリティも、それぞれ独特なものである。このことも考慮に入れたうえで、他局との競争についても無視することは出来ない。つまり、今日、外国語放送には、リスナーに放送を届け、それを面白いものにすると言う、難しい課題が据えられているのだ。

ロシアの声のアンドレイ・べィストリッキー社長は、このように発言し、更に次のようにコメントしています。
   
 外国語放送はどのように変化しているのか、われわれは、現在リスナーの構成がどんな風か、どのように放送が聴かれているか、そして、どのように受取られているか、十分に理解していない。この分野で行われている、様々な研究では不十分で、ラジオを理解するために、われわれの前に立ちはだかっている知的挑戦は、大変重要なものだ。

 又、私は、現代のグローバル化にも関らず、様々な現代技術は、リスナーを統合するだけではなく、同時に、カテゴリー分けし、グループ化しているということを指摘したい。これは、現代のラジオ放送における、問題の一つでもある。

ロシアの声のアンドレイ・べィストリッキー社長は、このようにコメントしました。

又、ラジオ局Deutsche Welleのアレキサンドル・フォン・ネイマン社長は「今後、外国語放送は、国内外のラジオ局とだけではなく、テレビやインターネットとも競争せざるを得なくなるだろう」 と述べ、更に次のようにコメントしています。

   私は毎晩、娘に、幾つかの本から、お話を読んで聞かせていますが、この本はいつ出版されたか分からないほど、古いものであるにも拘らず、今日まで残されているものです。

   その他の、あらゆるマスコミ、情報手段も、ちょうど同じように、そのまま残されており、今後も、その意義はより発展することはあるかも知れませんが、少なくとも維持されていくでしょう。

   そもそも、真実どおりの客観的な情報であることが先ず第一に重要です。情報をより正しいものにするため放送の質を高め、それによってリスナーの権威を獲得しなければなりません。

   一方で、競争は、これまでも常にあったものですし今後もあるものでしょう。

Deutsche WelleのAlexandra Von Neighmanアレキサンドル・フォン・ネイマン社長は、このように述べました。

又、軍事紛争に関する報道についても、国際放送は大変重要な役割を果たしています。軍事紛争が起こった際、国際放送は、偏見に囚われない見解を伝える、独立したエキスパート又はオブザーバーとしての役割を果たしています。

今年8月、カフカースで発生した事件は、西側諸国のラジオ放送局数社が、この偏見に囚われないと言う規範に応えることが出来ないと言うことを露呈させる結果となりました。これらの放送局は、事実を差し替えた部分があり、侵略者を犠牲者であるように報道したです。

ラジオ局イスラエルの声のシュミュエル・ベン・ツビ社長は、ジャーナリストたちは、必ずしも、いつも、軍事衝突を冷静に見ているわけではないと語り、更に次のように述べています。

   ジャーナリストたちの課題は、情報に権力を行使しようとする、如何なるものにも抵抗することである。これは、つまり、ジャーナリストとしての規準を遵守しなければならないということを意味します。ウソがないように、今起こっていることに光を当て、如何なる事件に関しても、自分の個人的な見解を述べることのないようにする必要があるのです。
   これは容易なことではありませんが、その場合には、ジャーナリストたちだけが悪いという訳けではないのです。

ラジオ局 「イスラエルの声」 のシュミュエル・ベン・ツビ社長は、このようにコメントしました。

外国語放送の様々な展望に関する国際会議の中で行われた興味深い意見交換では、このような会議の重要性も示されました。
多くのラジオ局は、ライバルであるにも拘らず、会議の中で共に話し合い、今後もどんなことを実行していくか、理解し合いました。
例えば、自分たちのリスナーにとって、重要で必要な情報を得るために、共に努力することであり、これはお互いの協力によって、初めて、実現できることです。

ベネズエラのジャーナリスト機構の代表を務めるアリバロ・フリオ・マルチネス氏は会議の中で発言し、「ラジオが変わっていくことを怖がることはない。劇場や新聞がなくならないように、ラジオもなくなることはないだろう。ラジオを愛するリスナーも沢山おり、ラジオは独自のポジションを持つものなのである。しかも、まだまだ、ラジオの可能性は広くなっていくだろう」と述べました。

以上、マルチメディア性と客観性は、国際放送の基盤であると題して、「ロシアの声」 の記者がまとめた、コメントをお伝えしました。
Posted by Hiroshi at 02:07│Comments(0)日本語放送
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