2017年09月27日

「しおかぜ」中波廃止

9月26日午前、厚生労働省において、加藤勝信拉致問題担当大臣が会見を行った。この中で、北朝鮮向けラジオ放送「しおかぜ」支援に言及した。以下YAMATO PRESSの報道から。

やまと新聞は、加藤大臣に対し、北朝鮮内の拉致被害者への情報伝達に重要な役割を果たすことを期待されながら、資金不足により、今月いっぱいでの停波が決定している、「しおかぜ」中波放送に対する、政府の支援等について質問した。

「しおかぜ」は、特定失踪問題調査会(荒木和博代表)が運営している。平成17年10月から短波放送を開始した。

中波放送「しおかぜ」は、北朝鮮内で、中波受信用ラジオの普及が進んでいることを受けて、平成28年10月、3か月契約で放送が開始された。

現在、しおかぜの放送にかかる費用は、短波放送の場合、1日2時間半の放送で、月額約110万円、中波放送の場合、1日1時間の放送で、月額200万円となっており、中波放送のコスト負担は大きい。

それでも中波の放送開始に踏み切ったのは、北朝鮮内におけるラジオの普及状況が影響している。北朝鮮に普及しているラジオ受信機の台数が300万台、そのうち3分の2が中波受信機とする情報もあるという。

特定失踪者問題調査会で、しおかぜを担当する村尾建兒(むらお・たつる)専務理事は、8月に訪韓し、脱北者からヒアリングした際にも、北朝鮮に流通するラジオの内、中国製には短波放送が受信できるものもあるが、日本製には短波放送受信機能がなく、短波ラジオの入手が困難になっているという情報を得たという。

情報が統制されている北朝鮮では、拉致被害者が国際情勢や、日本国内での拉致被害者救出に向けた情報を得るには、ラジオ放送、その中でも中波放送が有効と考えられる。

中波放送3か月の実績を得た、特定失踪者門調査会は、放送契約終了後、早期再開を目指して、政府をはじめ各方面に資金協力を働き掛け、今年4月から9月までの6カ月契約で放送を再開した。

10月以降の放送再開については、費用調達の目途が立たず、実現が厳しいという。

しおかぜの役割を考えたときに、平時の運用はもちろんだが、朝鮮半島有事が実際に起こった場合、拉致被害者への避難情報や、米軍の侵攻状況等を伝えるには、短波放送も重要だが、より普及している中波の役割がより重要となる。

政府も北朝鮮向けラジオ放送を運営しているが、短波放送のみだ。

加藤大臣は、停波となる、しおかぜ中波放送への支援について、『今年は残念ながら半年分で終了するということを、この間荒木代表が仰っていたし、政府としても、団体からそのような話があったので、今年度予算においては、それを支援すべく予算を確保したところだ。(放送時間を)さらに長くしたいという希望を持っているので、それはそれとして、支援していくということを検討したいと思っている』と述べた。

朝鮮半島有事の北朝鮮向けラジオ放送の運用については、『有事についてどうするかという事については、これはまた別途議論していかなければならない。その中では、ご指摘があるように、短波のみならず、中波を含めて、どういう(情報)伝達手段があるのか。そういうことを、我々は検討させていただいているし、また、それに向けての対応を準備させていただいている。そこを具体的に申し上げるのは、適切ではないので、申し上げないが、中波も含めてしっかり対応して、万が一のことがあったときには、向こうにおられる拉致被害者の方々が、その行動において、しっかり参考になりうる情報を提供できるよう、努力はしっかり検討して、準備を進めていきたい』と述べた。

加藤大臣の発言を受けて、特定失踪者問題調査会の村尾専務理事は、次のようにコメントした。

「北朝鮮当局が度重なる弾道ミサイル発射、核実験等、米国に対する挑発行為をエスカレートさせ、一触即発の緊迫状態から有事へと発展する事が想定される場合、北朝鮮に囚われた、すべての拉致被害者、すべての日本人への情報提供は、その事前情報も含め非常に重要であると考えている。
 『しおかぜ』では既に緊急避難放送として短波、中波を駆使し刻々と変化する情勢を北朝鮮内部へ放送を続けている。また短波に於いては総務省、NHK、KDDIの協力を得て、北朝鮮有事の際、条件を満たした場合に、24時間(実質22時間)の生放送を含めた対応を既に決めており、いつでも臨戦態勢で放送に臨んでいる。一方、中波放送については、脱北者からの情報から多くの受信が見込まれているが、高額な送信費用の負担が大きく、残念ながらこの9月30日をもって一旦停波するという事態に追い込まれた。

 加藤大臣の中波放送支援について『今後放送をさらに長くしたい希望をもっていいますから、それはそれとして支援を検討して行きたいと思っております』という発言は、中波放送の重要性をご理解頂いていると判断でき、直ぐにでも具体的な支援の方法をお示し頂きたい。『しおかぜ』としては現状の緊迫状態が続く中、一つでも多くのチャンネル、1分でも長い時間を使い緊急警戒アラートを放送しなくてはならないと考えている。
 また、有事となった場合の拉致被害者への情報提供について、4、5月の段階では始まってもいない事態について、想定はしていないと立場を取っていた政府サイドから、中波ラジオを含めた、そのやり方についての検討が言及されている事は大きな変化であるが、北朝鮮に囚われている全ての日本人の安全を確保する事は政府として当然の義務であり、状況は切迫し余談を許さない中、事態を想定し事前準備を整え臨んで頂きたいと切に願う次第である」


27日1200のVOA Koreanはいつもの7540kHzではなく、7450kHzに出てきた。周波数の設定ミスなのか、テニアン送信は自動送出かと思ったが、周波数は手動で設定している?
7540kHzはパルスジャミングだけが出ているが、これがなんとCUSBである。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい