いまさら言わなくても分かりきっていることだが、世の中広い。普段ラジオは全く聞かない人のほうが多いようだ。
しかし今回の震災でラジオの持つ簡単、速報性の高さからラジオがみなおされているらしい。ここで言うラジオとはもちろん普通の中波やFM放送のことで、誰も聞かないうちに終わってしまったVHFデジタル放送でもなければ、短波放送でもない。
単一乾電池ほどではないが、今も小型ラジオは品薄が続いている。
そんなラジオの良さを示す記事が、6月17日の毎日新聞夕刊に載った。ある方から教えていただいた。
東日本大震災を機に再評価 停電経験者に好印象の傾向
東日本大震災を契機に、情報ツールや癒やしを与えるメディアとしてラジオが注目されている。ビデオリサーチの「震災とラジオに関する調査」でも、3月11日の震災発生直後、調査対象者の1割が最初にラジオを聴いているなど、数字でもその役割や効果が示された。
調査は4月23、24日、東京から30キロ圏内に住む男女20~69歳300人に電話で実施。震災発生直後に最初に接触したメディアはテレビが67・3%で最多。ラジオはそれに次ぐ10%で、パソコンのインターネット(9・7%)やワンセグ(7・7%)を上回った。滞在場所は約4割が職場・学校だった。また震災当日、就寝までに9割近くがテレビを見る一方、4人に1人はラジオも聴いていた。
特に停電を経験した人(300人中67人)はラジオに好印象を持つ傾向が強いようだ。なかでも「情報が早い」は47・8%で、停電未経験者と比べ約10ポイント高く、非常時の情報手段としてラジオが役立ったことがうかがえる。
震災後、ラジオに対して強まったイメージは、「いざというとき頼りになる」(52・7%)▽「情報が早い」(39%)▽「気分が落ち着く」(18%)などが多かった。
また4月下旬までにラジオを聴いた人は全体の6割に及び、普段は聴かない人でも2割が接触するなど、震災後に新たにラジオを聴く人が増えたようだ。
被災地の岩手、宮城、福島、茨城の4県には、給水場所やライフライン復旧情報などを伝える臨時災害FM局が計19局(5月31日現在)設置されている。総務省によると「自治体の回覧や連絡網が確立するまで、いずれの局も当面は放送を続ける予定」という。