2016年06月20日

特定失踪者 国内で発見

拉致濃厚として特定失踪者リストに上がっていた人が今月日本国内で生活していることが確認された。すでに一部報道もされており19年ぶりに所在が分かったことは何よりである。

特定失踪者問題調査会NEWS2226から。
 昨日お伝えした宮内和也さんの所在確認について、私たちとしては拉致濃厚(いわゆる「1000番台リスト」)に入れていた人でもあり、正直なところ判断ミスがあったことは認めなければなりません。ご迷惑をおかけした各方面にはお詫び申し上げます。

 今後私たちがどの部分で間違ったのかは検証していくつもりですが、これまでもそうであったように一旦見つかればその後はご本人及びご家族のプライバシーにかかわる問題が出てきますので結果を公表することはできないかも知れません。その点はご理解下さい。

 残念ながら「山本美保さんDNAデータ偽装事件」でも分かるように政府・警察には拉致問題を隠蔽しようとする力が常に働いています。その点は「拉致問題を解決する」と言っている安倍総理のもとでも基本的な変化はありません。もし「DNAデータ偽装事件」だけが特別なのであれば、とっくに事件の真相は明らかになっているでしょうし、警察の発表が正しいのなら12年前にDNA鑑定書は公開されているはずです。そうならないのは、今も隠されている同様の第2第3の事件があるということです。

 実際横田めぐみさんの事件でさえ韓国の情報機関から情報が伝えられたとき日本政府は本人を特定までしながら握りつぶし、平成9年(1997)西村眞悟議員の質問と産経・AERAの報道で初めて動き出しました。昭和63年(1988)、おそらくかなりの覚悟をして当時の梶山静六国家公安委員長がアベック拉致を北朝鮮によるものと答弁したときでさえ、政府としては救出の手段を講じようとしませんでした。その構造から考えれば、宮内さんも含め国内にいたという発表についても、少なくともその発表時期などに意図がある可能性はある程度考慮の必要があると思います。「検証」にはこの点ももちろん含みます。

 今回のことで「他の特定失踪者も拉致でないのではないか」と思われた方もおられるでしょう。確かに今後も拉致でなく国内で発見される方はおられると思います。しかし基本的には「拉致でした。良かったですね」とはならないわけで、拉致でなく国内でご無事で見つかる方が良いことは間違いありません。

 残念ながら政府が真相を隠している以上、拉致の可能性のある失踪の中から絞り込んでいくやり方以外に拉致問題を明らかにできる手立てはありません。それは常にリスクを背負っているのですが、特定失踪者問題調査会はもともとリスクを背負い込むために立ち上げた団体です。様々な試行錯誤を積み重ねながら今後もこのやり方を続けて参ります。ご理解を賜りますようよろしくお願い申しあげます。
Posted by Hiroshi at 21:31│Comments(0)Japan
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