短波放送全盛時代にも周波数リストはいくつも存在していた。根本的に違うのはインターネットも無い時代、紙メディアしかなかったことである。ましてリアルタイムで情報交換などすることは考えもしなかった。
受信周波数がデジタル表示するようになってから事態は一変した。いつも決まった周波数でよく聞こえているパイロット局の必要がなくなったことだ。
冷戦真っただ中、今の中国以上にどこでもソ連局しか聞こえない状態の中、どこにどれだけソ連局が出ているのか実際に受信して調べてみた。北欧からは送信所の情報が寄せられソ連局の全貌がわかってきた。1981年8ビット1チップのマイコンが市販され、わずか5×7ドットのグラフィックプリンターで周波数リストを作ったこともあった。当時の短波誌にもバンドサーベィとして掲載されている。
ワープロ・パソコン通信ができるようになり、情報の収集がより速く正確にできるようななってきた。こうして得られたデータベースの積み重ねを基に今の周波数リストが作られている。
短波放送最盛期と比べると、現在は約4割減、この30年間で放送時間が増えているのは中国とイランぐらいか、後ルーマニアが頑張っている。旧ソ連に至っては、放送時間にして10分の1にまで激減している。宗教局もかなりのウェイトを占めているがWYFRが今年6月30日で短波放送を中止、FEBCの中国語削減などから放送時間は減っている。
現在最も多くの周波数を使っているのはいうまでもなく中国からのジャミングの電波である。延べ数にすれば推定2000波以上が出ていることになる。
実際の放送波でも中国は約880波で最多、続いてIBBなどで776波が抜き出ている。DWはごくわずかになっているが、ドイツからの短波送信はIBBに次ぐ規模で各放送の中継をしている。
意外に多いのが台湾、非公式のSOHを含めると180波程が出ていることになる。これに続くのがイランの155波である。バチカンも外国局の中継が多く125波出ている。
30年前に活躍していたパソコン。
10月27日からはまた新しい周波数での放送が始まる、今以上に減ることはあっても増えることはないだろう。
すでにMBRからのB13予定リストが出ているがここからは151波が載っている。これで見る限り宗教局とIBB関連は削減は無い様だ。
この周波数リストを始めEiBiリストも含め合体したリストも登場している。これはYahooグループの "swskeds"でだれでも利用することができる。
もっと機能を増やし受信地と送信地間の距離がわかるようにしたり、任意の時間、周波数帯を選んでみることもできるリストも登場しているが何とこれは有償である。周波数リストを利用することに異論はないが、これで金儲けするのはけしからん。