一般紙でも報道されたことから、多くの人が知ることとなったニュースの一つ。
今はカーナビでもおなじみのGPSの発達により、このロランC局の存在が薄れてしまった。南鳥島(東京都小笠原村)の「ロランC」局が1日午前、廃止された。
12月1日朝日新聞の記事から:
さよなら「ロランC」 南海の孤島、安全支えた半世紀
船の位置確認に利用され、海の安全を支えてきた南鳥島(東京都小笠原村)の「ロランC」局が1日午前、廃止された。千葉市中央区にある千葉ロランセンターであった南鳥島ロランC局の閉局式典では、同センターの外舘(とだて)信一所長が無線で合図し、南鳥島ロランCの電波が止められた。外舘所長は「さみしい思いはあるが、時代の流れ。使命を全うした」と話した。
ロランCは、複数のアンテナ局から届く電波の到達時間の差から、航行中の船が自船の位置を割り出すシステム。米沿岸警備隊が1960年ごろから世界各地に設置した。
東京から約1950キロ離れた日本最東端の島「南鳥島」にあるロランC局は、衛星を使った精度の高い全地球測位システム(GPS)の普及を理由に同警備隊が廃止しようとしたため、海上保安庁が93年に引き継いだ。船舶関係者から存続を求める声が相次いだためだ。
GPSの一層の普及でロランCの利用は徐々に減少。海保が2006年に漁船や商船4225隻を対象に行った調査では、ロランCを主に利用する船舶は18隻しかなく、今年5月に廃止を決めた。
海保は南鳥島に3週間交代で職員8人を送り込み、高さ213メートルのアンテナと電波を守ってきた。物資は空輸に頼り、電力は自家発電。飲料水は海水を淡水化してまかなってきた。