2016年12月18日

12月17日「しおかぜ」

1300の「しおかぜ」はまだ6145kHzである。ジャミングは弱いが中国語の混信が強い。17日土曜日は日本語放送で冒頭はいつもと同じ中波放送開始のアナウンスが出ている。
この時間はさる11月25日、鹿児島県薩摩半島西岸特別検証報告が出ている。先週と同じ番組である。
 まず久多島に向かう。久多島は吹上浜から10キロ沖合に浮かぶ無人島。高さ29m、周囲1380m。切り立った岩でできている。人の住む場所はおろか平らなところがほとんどない。当初この島に拠点がある可能性も考えたが、今回の検証でその可能性が低いことが分かった。海上からの目標としては絶好なので、このあたりで工作母船と子船の離脱回収が行われたと考えられる。

 なお、前回山口県での検証の折昭和57年(1982)に青海島に上陸したことのある李相哲・元北朝鮮作戦部戦闘員(仮名)に同行してもらった際、李氏は母船子船の離脱回収地点を沖合の相島南方、つまり陸地側だったと証言した。通常考えれば陸地側に停泊すれば目視されやすくて不利なのではないかとも思えるが、実際にはその可能性は低く、それより波が静かな陸地側を選んだのだろう。久多島も周囲を回ってみて陸地側の方が波が静かで停泊させやすいことが分かった。

 久多島に来てみて陸地を展望し、ドローンを用いて上空からの撮影を行った。はっきりと分かったのは吹上浜周辺に目標物が少ないということである。一番はっきりと見えたのが金峰山であり、久多島と金峰山を結ぶ線の上に伊作川の河口がある。そして河口から2キロ程度北にいくと市川さんの自家用車やサンダルが発見された場所になる。

 これらのことから考えると工作船は久多島を目標にやってきて、久多島の周辺で子船を離脱させ、伊作川の河口など、上陸地点に向かったものと思われる。 このような位置関係は、この地域が頻繁な工作員の密出入国に使われたことを推定させるものであり、入る側としては極めて使い勝手が良かったということだろう。目撃証言などが多いことも納得がいく。

 久多島の後、吹上浜に向かう。海上から見てここには海岸と防風林の続いているところであり、目標とできるものがほとんどないことが分かった。久多島から金峰山を目指して進み、海岸に近づいたら発光信号を目標に上陸するということかも知れない。

 それにしても市川さん・増元さんの拉致が本当にここで行われたのだろうか。富山の未遂と同じだとすれば駐車場から海岸の間で拘束され袋に詰められて防風林の中に放置され、夜になってからゴムボートで工作子船に移送されたということになる。一応それで理屈はつくのだが、しかし遺留品の写真などからすると薩摩湖で写真を撮ってから車で移動したとして、海岸に着いた時間はほとんど日没ぎりぎりである。海上から見たときもこの開けた海岸にゴムボートを着けて抵抗する2人を乗せていったのだろうかと感じた。

続いて朝鮮人民軍について、最近は十分な食料が配給されていないという情報がある。多くに人民軍が不満を持っており、このような状況下でとても戦える状況ではない。
後半1330は朝鮮語でほぼ同じような受信状態である。

1405の「しおかぜ」は5910kHz、ジャミングは弱い、この時間も毎日同じ番組が出ている。開始アナウンスは、
「こちらはJSRしおかぜです。東京から北朝鮮におられる拉致被害者のみなさん、様々な事情で北朝鮮に渡って戻れなくなった皆さんへ、放送を通じて呼びかけを行っています。しおかぜでは拉致被害者救出、北朝鮮包囲網形成のため、これまでも日本政府とあらゆる形で連携を図ってきました。この時間は日本政府制作による日本語番組「ふるさとの風」をお送りします。最後までお聞きください。」

そして終了アナウンスは、
「こちらはJSRしおかぜです。東京から北朝鮮におられる拉致被害者のみなさん、様々な事情で北朝鮮に渡って戻れなくなった皆さんへ、放送を通じて呼びかけを行っています。この時間は日本政府制作による日本語番組「ふるさとの風」をお送りしました。拉致被害者の皆さんにはこれまで」放置してきたことをお詫び申し上げます。必ず助け出します。それ以外の方々も自由に日本に戻れるように努力しています。もう少しの間頑張ってください。もしこの放送が受信できなくなった場合には、この近辺を探してみてください。
しおかぜは北朝鮮当局による妨害電波対策のため複数の周波数で放送しています。またほかの北朝鮮向け放送と連携していますので、そちらの時間で夜10時30分から深夜2時30分ごろまでは必ずどこかで放送しています。私たちは皆さんを必ず救出するため様々な努力をしています。番組からの情報を注意して聞いてください。北朝鮮情勢など当局の体制に変化が起きた場合には緊急避難放送もお伝えします。こちらはJSRしおかぜです。東京から北朝鮮におられる拉致被害者のみなさん、様々な事情で北朝鮮に渡って戻れなくなった皆さんへ、放送を通じて呼びかけを行っています。また明日この時間にお会いしましょう、お体をお大事に、こちらはJSRしおかぜです。」


1430の「ふるさとの風」は9560とパラオ送信9960kHz。1300代の台湾送信はほとんど聞こえなかったが、この時間9560kHzは結構強く入感している。9960kHzは極めて強力である。
懐かしい日本の歌「お馬」で始まっている。拉致問題解説は松木薫さんについて。1980年5月頃スペイン留学中に消息を絶った。1988年に石岡亨さんから家族あてに8月13日付のポーランドの消印で手紙が届き、よど号ハイジャック犯とその関係者によって増元るみ子さんを含め3人が平壌へ連れて行かれたことが判明している。北朝鮮は1996年8月交通事故で死亡と発表、しかしこれは拉致を認めて2002年に急遽死亡確認書をねつ造したもので客観的なことは何も示されていない。
ふるさとの声は松木薫さんへ、2016年3月18日福岡西鉄ホールで開催された公開収録でのお姉さん斉藤文代さんのメッセージ。帰国も果たせず、両親が亡くなったことを述べている。同じく2番目のお姉さん松木照代さんから、2016年2月収録のメッセージ。最後に2016年2月収録の弟さん松木信弘さんからのメッセージ。今日の一曲は松木薫さんへの思いを綴った、ミュージックボランティアうらた剛さん作詞作曲の「薫の約束」でこれまでと同じである。この番組は2016年4月18日、5月6日、15日、24日、6月2日、11日、20日、29日、7月8日、8月4日、13日、22日、31日、9月9日、18日、27日、10月6日、11月2日、11日、20日、29日、12月8日と同じ内容である。
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