国際シンポジウムと公開収録は終始良好な受信ができ、番組が押して中継は尻切れになった。解決することのない拉致事件だが、風化をこれ以上進行させないためにもこうした行事は必要なのかもしれない。事件を解決させたくない黒いネズミを退治するためにも。
10日1300の「イルボネパラム」は9465と9950kHz、両波とも台湾送信でスキップもなくよく聞こえている。後半1330の「ふるさとの風」は9705と9950kHz、この時間もまだ強力である。日本語放送がよく聞こえている。今週の一曲朝鮮語は高野寛の「虹の都へ」が出ている、昨年5月と今年3月にも登場している。日本語は南こうせつ「国境の風」、約2年ぶりの登場である。
1300の「しおかぜ」は6145kHz、パルスジャミングが強く受信状態は悪い。日本語が出ているが内容の聞き取りは不可能。後半1330は朝鮮語が出ている。
1405の5910kHzもノイズジャミングが強い、全く聞こえない。終盤若干ジャミングが弱くなり日本語放送が聞こえている。
1430の「ふるさとの風」は9560と9960kHz、両波とも弱いがかろうじて聞き取り可能である。懐かしい日本の歌「汽車」で始まった。拉致問題解説は田口八重子さんについて。1978年6月ごろ東京高田のベビーホテルに2歳と1歳の子供を残したまま拉致された。当時22歳である。日本人を偽装し大韓航空機爆破事件を起こした北朝鮮工作員・金賢姫(キム・ヒョンヒ)の証言から、田口八重子さんがこの北朝鮮工作員の教育係を務めたことが明らかになっている。北朝鮮はこうした事実や大韓航空機爆破事件そのものへの関与を完全に否定している。しかし、田口さんは、別の拉致被害者(2002年に帰国)に対して、「1981年から1983年にかけて「オッカ」(=金賢姫の別名)という名の女性工作員と共同生活した」ことが確認されている。
また、北朝鮮は、「田口さんは、1984年に別の拉致被害者・原敕晁さんと結婚し、1986年7月に原さんが病死したため、精神的な慰労のための旅行中に交通事故で死亡した」と説明している。しかし、帰国した拉致被害者は、田口さんとは1986年7月頃まで同じ招待所にいたが結婚の事実はなかったと証言しており、したがって、「原さんの死後、交通事故で死亡した」という北朝鮮側の説明は信用できるものではない。
北朝鮮側は、田口さんが大韓航空機爆破事件の実行犯の教育係を務めていたという事実を隠そうとしている。もちろん事件そのものを北朝鮮は韓国のでっち上げだとし認めていない、韓国も機体引き上げの捜査をしないなどおかしな事件である。
ふるさとの声は田口八重子さんへのメッセージ、お兄さんの飯塚繁雄さんから2015年3月4日収録されたもの。続いて2016年2月7日に政府拉致問題対策本部、東京都の共催により開催された、「北朝鮮拉致問題の解決を願う都民の集い」における収録から。そしてお兄さん本田勝さんからのメッセージは2016年2月に収録されたメッセージ、地元の民謡を歌っている。最後に2015年9月に東京で開催された「最終決戦のとき!不退転の決意で全員救出を!国民大集会」で収録した飯塚耕一郎さんからのメッセージが出ている。今日の一曲は1975年のヒット曲布施晃の「シクラメンの香り」である。この番組は2016年4月20日、29日、5月8日、17日、26日、6月4日、13日、22日、7月10日、19日、28日、8月6日、15日、24日、9月2日、11日、20日、10月8日、17日、26日、11月4日、13日、22日、12月1日と同じ内容である。