2015年10月28日

10月28日調査会ニュースから

一部新聞報道もされているが、特定失踪者問題調査会の失踪者名簿にある行方不明者の一人が大阪市内に在住していることが分かった。

中島修一さんについて 【調査会NEWS2025】(27.10.27)
 昭和47年(1972)9月に長野県で失踪した中島修一さん(当時20歳)について、長野県警は本日ご本人を国内で発見し、「北朝鮮による可能性はないと判断した」と発表しました。

 警察がこのような形で発表したのですから、おそらく間違いはないと思います。国内でご無事でおられればそれが最善の結果です。調査会としては最終的な確認を待ってこちらのリストからは削除する予定です。報道関係の皆様にはプライバシーの問題もあり、ご家族への取材はお控え下さるようお願いします。

 ただ、本件についてはその事実関係と別に、多少釈然としない点があります。

1、2年ほど前に私がご家族に会ったとき、「大阪の方にいるという情報があるが、警察から『勝手に動かないで欲しい』と言われている」とお聞きしました。ご家族と「動かないでいるうちにどこかに行ってしまったらどうするのでしょうね」と話した記憶があります。

2、今回ご家族には十分な説明がされておらず、最終的な確認をする前にマスコミに発表しています。

3、発表の今日は私たちが加藤大臣に会った日でした。

 ともかくリストにある方々が国内で所在確認されるにこしたことはないのですが、警察はこういうことに関して様々な形で情報操作をやるところなので、事実関係も含めてしっかりと確認していきたいと思っています。


特定失踪者家族「安倍首相との面会を」 調査会が拉致担当相に要望
 拉致問題を調べている特定失踪者問題調査会の役員が27日午前、東京都千代田区の内閣府を訪れ、加藤勝信拉致問題担当相と面会した。調査会は加藤氏に要請文を提出。安倍晋三首相と特定失踪者家族との面会実現などを求めた。

 面会は非公開で実施。終了後、取材に応じた調査会の荒木和博代表によると、加藤氏に要望を伝え、書面での回答を求めた。

 要請文では、首相と特定失踪者家族との面会のほか、拉致問題担当相主導による日朝交渉の立て直し▽日朝交渉の経緯などについて政府が特定失踪者家族に説明する機会を設けること▽調査会が運営する北朝鮮向け短波ラジオ放送への協力▽河野太郎国家公安委員長との面会の仲介-などを要望した。

誰が大臣になったところで拉致事件が解決することはない。あと10年、20年と歳月が流れれば、やがてニュースにもならなくなるのでは。国民の関心があっても、マスコミがその気にならないので如何ともしがたい。

拉致認定 【調査会NEWS2026】(27.10.28)
 昨日私たちの面会の後、加藤拉致問題担当大臣は報道各社とのインタビューで「政府の拉致認定については、非認定者が拉致被害者でないことが、その後明らかになった場合には、そのことをもって北朝鮮側から認定制度自体に反論するという材料を与えかねない」と語っています。

 これは当然警察当局の見解をそのまま話しているわけですが、政府は松本京子さんが認定された平成18年11月以来なんと9年間、ただの1人も拉致認定していません。かといって拉致の実行犯を逮捕するわけでもなく、「法と証拠に基づいて」と言いながら何の結果も出していないのが正直なところです。

 10月1日の松原仁・元拉致問題担当大臣の会見を見るまでもなく、政府がすでに拉致は間違いないと認識しているケースが相当数あることは明らかです。一方北朝鮮は小泉訪朝まで一度も拉致をしたことはないと言ってきて、またその後もウソをくり返しているのですから、たとえ認定者から拉致でなかった人が出たところで「北朝鮮側から認定制度自体に反論するという材料を与えかねない」などと気にする必要もないことは明らかです。

 拉致認定されたと言っても取り返せるわけではないのは家族会の皆さんの苦労をみれば分かります。調査会では救出が優先であり、あえて拉致認定を求めてはいませんが、これだけ長期間追加の認定がされないということは、結局警察にそれを明らかにする能力がないということではないでしょうか。

 私は警察に現役・OBの多数の知り合いがおり、多くの方々は大変な苦労をして職務を遂行しています。それについては経緯を払っているつもりです。また度々失礼な物言いをしていることは申し訳なくも思っています。

 しかし、特にこの分野は警察庁直轄であり県警や所轄のレベルの話ではありません。安倍政権になってから鳴り物入りで作った警察庁の「特別指導班」も何をしているのかよく分かりません。分かるのはわれわれや家族の動向を気にしていることぐらいです。「日朝交渉を外務省主導ではなく警察主導にせよ」という声もある中(私はあまり賛成できませんが)、あまりつまらないことに労力を使うのではなく、もっと本筋の仕事をしてもらいたいと思います。

上の画像に書かれている文字を入力して下さい