10月24日の特定失踪者問題調査会NEWS678号から
■3周年を迎えたしおかぜ
担当理事 村尾建兒
「一秒でも早く放送を終わらせる」そんな決意を心に誓い、2005年10月30日より放送を開始した「しおかぜ」は、この10月30日で3年目を迎える事になりました。この間1095日、ある意味「これは電波戦争である」と認識し、一刻の猶予も許されない中、数々の番組を制作し毎日放送を続けて参りました。
その中でも「しおかぜ」で、最も印象に残る番組があります。2006年1月1日からスタートした「家族の絆・きっと助けてあげる」です。現在(1)~(7)まで放送され、42家族69名の方々が、残された家族の思い、助け出したい切ない気持ち、そして後悔の念を呼びかけに込めて、肉声で語りかけています。
また、「家族からの手紙・みんながあなたを待っている」では、53家族からお手紙をいただき、代読によりご紹介する番組も放送しています。深夜、そして早朝とラジオから流れるこの番組を聴いて、何も感じない人はいないはずです。まして数十年もの間囚われ、帰る希望も失いかけた拉致被害者が、たとえラジオから流れる放送が自分の肉親や友人ではなくとも、日本から流れるこの声を聴けば必ず正気を取り戻し、再び日本へ帰ろうとする勇気を呼び起こしてくれるに違いないからです。
ニュースなど多国籍語を使い、北朝鮮に海外から情報を注入することは、対北朝鮮向け放送において大変重要な役割ではありますが、やはり「しおかぜ」の原点になるものは、ご家族の声であり、この声こそが、北朝鮮を打ち破る最大の力になると言っていいのではないかと強く感じます。生まれ持った心の絆は決して失われる事は無いと、残されたご家族の皆さん全員がそれを証明しているからです。
一方で、そのご家族の思いを踏みにじる卑劣極まりない妨害電波は途切れることはありません。これは北朝鮮が「しおかぜ」を脅威と認め、この3年間で確実に効果を上げてきた証拠であり、昨今、一部のマスコミで報道されている北朝鮮内部に於ける「しおかぜ聴取」のニュースからも、妨害電波はますます酷くなる事は確実でしょう。私たちは北朝鮮の謀略に決して屈することはありません。逆に「なにくそ魂」で、少しでも聴き取りやすい放送と最新の情報が伝えられるよう、すべての日本国民の思いを乗せた強力な電波を北朝鮮へ向けて発信し続けます。
残念ながら通過点となった3年目を迎えてしまいましたが、「しおかぜ」が終了出来る時、すなわち拉致問題がすべて解決するその日まで、全力で放送して参る所存です。これからも皆様のご協力、よろしくお願い申し上げます。
なお、10月26日夜11:00~11:30、27日朝5:30~6:00の放送より新周波数へ変更となります。周波数については妨害電波対策(猫の目作戦)のため、しばらく公開いたしません。ご家族が確認される場合は村尾までお問い合わせください。